みろく横丁

八戸(青森)のみろく横丁界隈を歩いて感じる情景

青森県の八戸に来たことが無い人にとっては、なんともイメージの湧きにくい街なのではないだろうか。なにせ検索しても情報が少ない。

 
 

そんな中、八戸の夜の街を歩いてみた。

 
 

みろく横丁。

 
 

八戸で唯一混んでいると感じさせてくれる場所。

 
 

いや、正確には混んでいるのでは無い。路地が細いから、人とすれ違うたびに少し身をかがめる必要があるので、通りを歩いていると何度も身をかがめる。

 
 

大阪の梅田にあるお初天神の裏通りや、新宿のゴールデン街にも似たエッセンスを持つ場所だが、やはり通りはもっと狭いように感じる。

 
 

路地の雰囲気は昭和感が漂っていて、少しタイムスリップしたかのような旅情があるが、路地はキレイに整備されている。後から聞いた話だが、このみろく横丁は運営は民間だが、リニューアルを義務付けられているらしいのである。

 
 

大人2人がすれ違うと余白がなくなるような狭さで、身をかがめる連鎖が起きて脳が「ここは混んでいる」と錯覚しているのだろう。

 
 

この横丁にいる総人数は意外と少ない。おそらく数十人だ。

 
 

仕掛けがわかると、今度は少なく感じてくる。

 
 

この、みろく横丁だけはあきらかに青森県外から来ている出張、観光客が多い。

 
 

両脇に立ち並ぶ屋台のような飲み屋は平日でも満席御礼の店舗がそこかしこにある。この店内も、どこも狭い。

 
 

全部カウンターで大人7.8人入れるかどうか。

 
 

こんなにガランとしていて広々とした街の一角で、わざわざ狭いスペースの窮屈な店で飲む。

 
 

街が閑散としているから狭いスペースで飲む。

 
 

店員は、若い女性がやってる店、おっさんがやってる店、マダムがやってる店、いろいろだ。

 
 

その店員1名を囲むように7-8人の客が狭い店内に満席で飲んでいる。

 
 

1対多で、すこし異様に感じる。

 
 

みろく横丁の店は、店舗間で協力関係が成り立っている。

 
 

客がせんべい汁を飲みたいというと、その店になければ少し先の店まで店員が取りに行って、ある種デリバリーみたいなサービスをやってのける。

 
 

みろく横丁周辺に、繁華街なスポットは集中している。

 
 

みろく横丁以外にも、周囲に細い飲み屋の路地はある。

 
 

しかし、そこは圧倒的に細いだけだ。誰ともすれ違わないので、混んでいる感じがちっともしない。

 
 

ちょっとした狭い迷路を歩いて、簡単にコンプリートする感じ。

 
 

昔の文化祭のお化け屋敷みたいな、あの感じ。

 
 

ラーメンを食べるために、ホテルから繁華街に歩いてきたのに、うまそうなラーメン店は見つからない。

 
 

渋々ではあるが、お店ごと燻された感のあるいい感じの焼き鳥屋で、リーズナブルなネギ間3本入り324円を買う。

 
 

どうやら持ち帰り専門の店で、焼かれてから時間がけっこう経った焼き鳥しか置いていない。

 
 

夫婦でやっている店。長らく夫婦でこの場所でやっているのだろう。

 
 

店内では奥さんが焼き鳥を包んだり、お釣りを準備してくれた。

 
 

親父さんは客から背を向けて、煙で少し燻された古いテレビばかり見て、私が店を立ち去るまでとうとう一度も振り返らなかった。

 
 

あぁ八戸という街。。。

 
 

 
 

さて、うまそうなラーメン店は見つからなかったし、ホテルに帰ろう。

 
 

帰路の途中にある煌々と照らされたお店がある。。。

 
 

 
 

なか卯だ。

 
 

八戸になか卯だ。

 
 

自分でも、あまり深く考えないように思考をシャットダウンしながら気づけば店内で親子丼を食していた。

 
 

さっき焼き鳥こうたばっかりやん。。。

 
 

 
 

「でもうまいから良しとする」というなんの文脈もない理由を自分に叩きつけて店を後にした。

 
 

そして、この原稿を書いているこの瞬間も、まだ焼き鳥には手が伸びていない。

 
 

あぁ、八戸という街。。。

 
 

 
 

そんな八戸が大好き。

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