ビジネスで「アホ」や「バカ」、「頭がわるい」と言い切る簡単さと危険性

 
 

「それはお前がアホやからやで。」

 
 

とか。

 
 

「あいつアホやからやねん。」

 
 

など。

 
 

原因を「アホやから」あるいは「バカだから」と言って切り捨てて終わりという人、周りにいませんか?

 
 

上司や社長など、自分の上の直属の上司となる人がこの手のタイプだった場合、生活の中で頻繁に「アホ」や「バカ」、「頭悪い」などの発言を耳にしてしまうことがあります。

 
 

私が勤めていたブラックなベンチャー企業の社長がこういうタイプだったので毎日、「アホ」や「あたま悪い」という言葉を息を吸うように聞いていました。

 
 

また、その人は口癖のようにクライアントからのメールを見て「こいつアホや、頭わるい」といようなことも平気で事務所で言っていました。

 
 

アホ、や頭がわるいと言った時点で会話はクローズドな方向に向かう

 
 

日常生活の中で、冗談を交えるような場面でアホとかバカというのはむしろ健全だと思います。

 
 

ところが、仕事の中で本気で「アホ」や「バカ」「頭が悪い」という言葉を日常的に使用している人が上司だとすると、それは危険信号だと考えています。

 
 

なぜなら、「アホ」や「頭が悪い」というのを使うのは問題点を抽象化しているだけにすぎないからです。

 
 

クライントのことを影で、自社の従業員に対して「あいつは頭が悪い」と言った場合、聞かされた方は問題点が抽象的なまま「なんとなく能力の低い人なんだろうな」というくらいにしか感じることができません。

 
 

それを鵜呑みにした従業員は、そのクライアントに対して横柄な態度をとる原因になりかねないですし、クライアントに対して油断してしまうきっかけにもなりえます。

 
 

仕事でアホやバカというのは感情的に未熟

 
 

社長や上司が本当にビジネスのシーンで「あいつはアホや」とか「あいつは頭が悪い」と言っているようであれば、人格を疑いましょう。

 
 

アホやバカという言葉はとても、とても使いやすい言葉です。

 
 

それは幼少期にみんな覚えて、日常的に子供の頃に使いますし、口喧嘩のときにも関西であれば「アホ」、関東であれば「バカ」って頻繁に出てきますよね。

 
 

その記憶が大人になっても定着しているので、感情的になったタイミングでとっさに出てしまう言葉なのです。

 
 

また、影で相手のことを「頭が悪い」というように言うことは、相対的に自分の方が優位だと主張しているようなものなので、言った本人の器の小ささが露呈してしまいます。

 
 

アホやバカという表現をビジネスで使用する語彙力の無さが問題

 
 

仮に、上司や社長が以下のような発言をしたとしましょう。

 
 

  • アホやから仕事ができない / バカだから仕事ができない
  • アホやから話がおもんない / バカだから話がつまらない
  • アホやから事前に確認しない / バカだから事前に確認しない

 
 

具体的に何が問題なのか一切わかりません。

 
 

「こうなるのはお前がアホやからやで」と、あなた自身に向けられた発言だった場合。

 
 

上司や社長というのは実質的に強制力を持っている場合があるので「はい。」くらいしか言えませんよね。

 
 

ところが、具体的にどこが問題なのかは明示されていないので、直しようもなく同じミスをしてしまう可能性は残ったままとなります。

 
 

たしかに、頭の回転が早い人というのは1を聞いて10を理解するように、上司からの短い指示に対しても、それ以上の答えや成果を提供できるのかもしれません。

 
 

ただ、そういう人ばかりでは無いので、指示する側にも一定の責任があります。

 
 

そこで、アホやバカと一蹴するのは、考えるのを相手に委ねたまま、抽象的な指示をし続けるということになります。

 
 

要するにコミュニケーションコストの問題

 
 

要は、日常的に「アホ」や「バカ」「頭が悪い」という言葉を使用している職場は、コミュニケーションココストが高い、生産性の低い職場であるということができます。

 
 

そんな言葉を使う時間があったら、もっと具体的に相手に伝わるように指示をし続けることで、改善を試みた方が、組織の目的には近づけます。

 
 

あるいはビジネスの現場で「アホ」や「バカ」と言って意図的に相手を思考停止にさせて、どんなメリットがあるでしょうか。

 
 

ビジネスシーンではいかなる場面でもコミュニケーションコストというのが発生します。

 
 

そのコストを企業が支払い続けている過程で、如何に良いコミュニケーションを生むかを重視して考えると、そんな言葉は必要ないと断言できます。

 
 

本当に相手がどうしようもないアホだと思うのなら、関係を断ち切る以外に方法はありません。

 
 

関係性を断たずに、影で「アホ」や「バカ」というのは、常に生産性が低い状態をキープしているにすぎません。

 
 

言葉には主語が無い可能性もある

 
 

言葉には言霊が宿っている。

 
 

だから、常に口にしている言葉というのは現実化する。

 
 

これはよく言われることですね。

 
 

それを心理学の観点から見たときに、「あいつはバカである」や「あいつは頭が悪い」という言葉には主語が無い可能性がある、という話があります。

 
 

要するに「あいつはバカだ」と言ったときにそれは無意識下に「バカだ」という言葉が残り「自分はバカである」と言っているのと同じように無意識下に残るというものです。

 
 

詳しくは、精神科医である名越康文さんのVoicvで聴くことができます。

 
 

どの回の放送でそれを言っていたのか、忘れました!

 
 

すみません。。。

 
 

 
 

なにが言いたいかと言うと、バカやアホという言葉を日常的に使用していると、それを言った本人の無意識下にもバカやアホという言葉が残るよ!というお話です。

 
 

そう考えると、自分が日常的に使用している言葉のバリエーションが自分の人生を作っていると言っても過言では無いのかもしれません。

 
 

アホ、やバカ、というのはとても簡単な言葉で、言う方は優位性を主張できる場所でしかそれを言わないので、一時的に少し快感を覚えている可能性があります。

 
 

でも、アホやバカというのをビジネスシーンで使うのは麻薬のようなものです。

 
 

使い続けると気持ち良いかわりにどんどん衰えます。

 
 

そんな言葉ばっかり使ってたら本当にアホな職場環境になりますよ。

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