私はキャリアの最初を不動産の仲介業者からスタートしました。
宅建主任者の資格を持っていたので、重宝されていて、事務所の宅建主任者として重要事項の説明など日々やっておりました。
不動産屋のいうことを安易に信用してはいけません。
これは内部の人間から見た率直な意見です。
正確には「本当に信頼できる人物かを見定めた上でしか、信用してはいけません」ということになります。
中には、本当に誠実な不動産業者もいますからね。
私が勤めてた不動産会社は極めてグレー、あるいはブラックな要素が多くありました。
その中でひとつ紹介させていただきます。
終了した物件情報を故意に載せ続けて問い合わせを獲得する不動産業者
不動産会社は基本的に反響営業です。
Yahoo不動産屋SUUMOやホームズなどを見て、良い物件があったらユーザーがその物件に問い合わせをして、その物件の集客をしている不動産会社に問い合わせの通知が行くような仕組みですね。
ここで一定の法則が業界内で生まれます。
「より多くの物件情報を掲載している不動産会社の方が問い合わせを獲得しやすい」というものです。
これは確率から考えて当然ですよね。
掲載する物件数は数千、数万とあったとしてもその物件情報を掲載している営業マンは数名というのが不動産会社です。
数万件の不動産情報を掲載していて、それらの情報が成約したかどうかなんていちいち現場で管理できないというのが実態です。
ここで何が起こるかというと、「お客さんから問い合わせが来た段階でまだ物件が空いているかを確認する」という手法が取られます。
随時、最新情報を現場の人海戦術で確認して掲載するよりも圧倒的に効率が良いからです。
つまり、反対に言えば「古くて終わっている物件情報だとなかば知りながらも問い合わせ獲得のために、掲載し続ける」という発想の転換が行われます。
みなさんも経験ありますよね。
不動産会社に物件の問い合わせをしたら「物件がまだ空いているか最新の情報を確認し、折返しご連絡させていただきます」という、あれです。
もし、その物件が成約済で終了していれば、「似た物件でオススメのもの、当社のみの物件情報もございますので、お客様の条件をお伺いできますでしょうか?」と不動産会社に聞かれ、後は営業されるというスタンスです。
終わっていることがわかった時点で掲載情報を消去する業者ならまだしも、終わっていると知りながら掲載し続ける業者も一定数いるのです。
これには悪意が感じられますよね。
実際としては不動産会社は、お客さんからの反響を取らないことには仕事にならないので、如何に反響を取るかと言うのが重要なのはあります。
ただ、知りながら「おとり広告」のようなかたちで、故意に存在しない物件情報を掲載している不動産会社というのはきわめてグレーです。
「あいにくその物件は他で申し込みが入ってしまっております」という返答の場合は、それが本当のときもありますが、そもそもおとり広告だったというケースもありますので、その不動産会社が本当のことを言っているのか信頼に値するのかをしっかり、その後の対応を見ながら見極めていきましょう。