暴露:横領が多発していた不動産仲介会社 入居者が一番かわいそう | 管理会社からの広告料問題

 
 

不動産仲介会社の横領の実態を、過去に内部の人間だった私がぶっちゃけます。

 
 

私は新卒で最初に就職した会社が不動産仲介会社でした。

 
 

社員数は20名程度で仲介の店舗が3店舗。

 
 

有名な黄色いジャケットを着用している黄色い看板のフランチャイズ店です。

 
 

社長はもちろんオーナー社長で営業バリバリの訪問販売出身の社長でした。

 
 

賃貸仲介と売買仲介の両方を主軸の事業として営業していました。

 
 

この不動産仲介業というのはけっこうグレーなお金のやり取りが発生しやすい業界でもあります。

 
 

私が働いていた会社では日常的に営業が横領してましたよ。

 
 

例えば、Aさんが転勤で引っ越しのために賃貸住宅を探すために仲介業者Bの案内を受けて、物件を決めたとします。

 
 

この場合、一般的には登場人物は4者います。

 
 

Aさん 物件の入居者
仲介業者B Aさんに賃貸住宅の斡旋、契約など
管理会社C Aさんが決めた物件の管理会社
物件のオーナーD Aさんが決めた物件の所有者

 
 

一般的には物件オーナーDさんとしても、空室はできるだけ避けたいので、いち早く入居者を決めたいという状況があります。

 
 

いち早く、優先的に入居候補者を案内してもらうために、「もしうちの物件で決めてくれたら、家賃の2ヶ月分を手数料として特別に報酬出すよ!」という「広告料」という名目で、仲介業者Bに特別な報酬が支払われるケースがあります。

 
 

これを不動産業界では「バック」といいます。

 
 

バックマージンの略ですね。

 
 

「バック2」といえば家賃の2ヶ月分のバックマージンが「広告料」という名目で、オーナーあるいは管理会社から仲介業者に支払われます。

 
 

ちなみに、バックマージンの額は一般的に決まりにくい物件ほど高くなる傾向があります。

 
 

バックマージンである広告料が多い物件は家賃の4ヶ月分とか、そんな物件までありますよ!

 
 

反対に、決まりやすい物件の場合はバックマージンが無い物件も多くあります。

 
 

広告料が4ヶ月だと入居者からの仲介料と合わせて5ヶ月分が仲介業者の売上になってしまいます!

 
 

通常、仲介業者の売上は入居者であるAさんから受け取る仲介手数料(家賃の1ヶ月分)だけです。

 
 

管理会社かオーナーから広告料がもらえる物件に案内して、決めれば入居者から仲介手数料で家賃1ヶ月分、オーナーサイドからバック2なら家賃2ヶ月分で合わせて3ヶ月分の報酬が支払われることになります。

 
 

たった1つの賃貸物件を成約しただけで、通常の3倍もの売上が立てられます!

 
 

こうなると、圧倒的に営業効率が良くなるわけですね。

 
 

ちなみに、こういったバックマージンは宅建業法では違反行為です。

 
 

しかし、実態として罰則を受けているケースは見たことがありません。

 
 

そこを善意で、広告料を受け取らず純粋に入居者からの仲介手数料だけで売上を上げる誠実な営業マンというのはそうそういないものです。

 
 

どうしても効率よく売上が上げられる方に人は流れます。

 
 

営業マンが広告料を横領していた

 
 

私が働いていた不動産会社は、事務所の誰でも社判が押せるような「奇妙な会社」でした。

 
 

ただ、社長はその社判が横領に使われることになっていたとは気づかなかったのでしょう。

 
 

そもそも、そんな横領に使われるという発想がなく、全く想定していなかったんだと思います。

 
 

営業マンが賃貸で成約した際に、管理会社から支払われるバックマージンを現金で営業マンが受け取って、勝手に作った会社の領収証を管理会社に渡す。

 
 

これだけで、本来会社の売上になるものが、営業マン個人のお金に変わります。

 
 

そんなやり方をしている先輩営業マンばっかりだったので、賃貸の部門の人間はほとんどみんな、広告料を横領していました。

 
 

私は売買仲介の担当だったので、そんな横領は一切していませんでしたけどね。

 
 

中には、如何に横領を上手くやり抜いたかを、飲んでいるときに自慢げに語っている人間すらいましたよ。。。

 
 

横領で一時的に小金持ちになって飲みに行く、そんな実態でしたね。

 
 

営業マンは広告料が多くもらえる物件を優先的に紹介する

 
 

そんな、バックマージンが営業マン個人の手に渡るような会社でしたから、営業マンは広告料が高くもらえる物件を優先的に案内していました。

 
 

例えば、転勤の予定で物件を遠方から見に来ているお客さんの場合。

 
 

次の機会に物件を見に来るようだと転勤の日程に間に合わないので、実質はその日に物件を決めないといけない人もいます。

 
 

そういう事情を知っている営業マンは複数物件に案内して、最後にお客さんが2択で悩んだとします。

 
 

そうすると、営業マンは電話がかかってきたふりをして「あーそうですかー、物件Aは決まりましたかー」と、広告料が少なかった物件が決まったように見せかけて、広告料が多い方の物件で契約させる、というようなこともやってました。。。

 
 

けっこうひどいですよね。

 
 

転勤の入居者だけではなく、お客さんが迷ったタイミングで物件が決まったように見せかける手口は、他の機会にも使われてましたね。

 
 

しかし、それが実態です。

 
 

営業をやっている中で、手っ取り早くお金を稼げる個人の利益をを尊重して、「自分が良い思いをしたい」という人間が多いですからね。

 
 

上記の例は、仲介業者の営業マンが勝手に自社の領収証を用意して管理会社から広告料を受け取る、という内容でした。

 
 

管理会社が意図的に、客付けを促進するために仲介業者の営業マンにバックマージンを支払うケースもあります。

 
 

レインズにバックマージンが記載されている場合もある

 
 

レインズ(REINS)と言うのは、不動産業者だけが見れるオンラインの物件在庫表です。

 
 

物件ネタを仕入れる市場のようなもの、と考えるとわかりやすいと思います。

 
 

そのレインズにはオーナーから客付けを依頼された管理会社が物件情報を登録して、広く仲介業者からの問い合わせを得て入居者を探すために実施します。

 
 

そのレインズに記載された物件情報の中で、物件の備考欄などに「個人BK可能」など記載が見つかるときもあります。

 
 

これはつまり、管理会社から「営業マン個人に広告料を支払うこともできますよ」という意味で、営業マンのモチベーション獲得のために記載している文言なんですよね。

 
 

そうなると、営業マンは「この物件で決めたらお小遣いがもらえるから頑張ろう!」くらいの気持ちをもって、物件を探しているお客さんに、広告料が高い物件を勧めます。

 
 

広告料が低い物件と高い物件の両方でお客さんに選択の余地がある場合、営業マンは何かにつけて広告料が高い物件を勧めます。

 
 

「ここは治安が悪い」「駅からの道が暗くて危険」「実は事故物件なんです」とか。。。

 
 

考えればいくらでも思いつくようなウソだったり、ちょっとした判断材料をめちゃくちゃ大きいことのように話します。

 
 

あたかもお客さんのために言っているように感じるでしょう。

 
 

実は、本人が広告料のためだけにそんなウソをついていることも知らずに。。。

 
 

最悪なのはネット物件

 
 

ネット物件というのはインターネットに掲載されている物件、という意味ではありません。

 
 

たとえば仲介業者向けの資料に「礼金ネット10万円」と記載のある物件だとすると、「礼金を10万円以上で申し込みを決めてくれたら10万円以上の金額は御社の取り分です。」という意味です!

 
 

つまり、この場合仲介業者が入居者に礼金30万円の物件として案内して成約したら20万円は仲介業者か営業マンのふところに入ります。

 
 

お客さんは不動産会社にふっかけられて、まんまと高い値段で物件を掴まされることになります。

 
 

まとめ

 
 

私が働いていた不動産仲介会社でのちょっとした闇に関してご紹介させていただきました。

 
 

不動産業界を通して思ったのは「相手の顔色を見ながら、搾り取れる人間からは搾り取る」という非常に姑息な人間が立ち回れる世界だとも思いました。

 
 

ただ、その一方で本当に誠実な方法だけを取っている不動産会社もあります。

 
 

誠実な営業マンかどうかをお客さんが判断するのには無理があると思いますが、こういった実態があるということも頭に入れておくと、騙されにくくなるのかもしれません。

 
 

「不動産屋のいうことは信用するな」これは鉄則だと思います。

 
 

慎重に物件選びをする一方で慎重に不動産屋選びもしましょう。

 
 

本当に信用できる不動産会社を通じて、物件の契約を進めることをオススメします。

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